コーラ白書
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コーラと出島と

アムステルダム国立美術館は巨匠の絵画の他にも、美術品や彫刻・オランダの歴史にまつわる展示品などが数多くある。中でも興味深かったのが、オランダの大航海時代に関する展示群だった。緻密に作られた家具や船舶の道具からは、東インド会社が莫大な富を生み、オランダが世界の海で覇権を競っていた時代を感じることができた。

Japanと書かれた一角には、長崎の出島の大きな模型がディスプレイされている。模型自体はちょっと残念な出来だったが、当時の交易の様子をうかがい知るには十分だ。当時オランダからはるばる日本までやってきたオランダ人の貿易商のことを思うと、少し胸が熱くなった。

まだまだ見たいところはたくさんあったが、飛行機の時間が迫っているので1時間くらいで美術館を後にした。トラムに乗ってダム広場まで戻り、観光地の雰囲気を少し味わいながらホテルに戻っていると、HEMAというスーパーを見つけた。衣料品がメインっぽいが食品も少し扱っていそうだ。時間を気にしながらも少し入ってみることにした。

健康志向を前面に出した売り場構成で、デリカやフルーツ・デイリーが並んでいる。コカ・コーラやペプシなどはなく空振りかなと思っていると、その一角に懐かしいコーラを見つけた。

 3es Cola

このコーラのことはいまでも鮮明に覚えている。オランダ人のコレクターとトレードしたとき、その第一便に入っていた缶の一つだ。当時はロゴが筆記体調で、ZESなのか3EZなのか判読できなかったっけ。パッケージはずいぶんとお洒落になったなぁ。

6缶パックを購入し、急いでホテルへと戻る。チェックアウトの時間が迫る中、冷えていない3ES コーラを1缶空けて飲んでみた。

・・・あぁ、こんな味だったのか。

 


 

このサイトを開いた当時、私はまだ大学生だった。インターネットが普及し始め、デジタルカメラがまだ珍しかった頃、海外から来たトレード話は衝撃的だった。ITで世界が繋がることを初めて実感し出来事だった。

当時のコーラ白書は出島だったのかもしれない。オランダ人の情熱によって括目され、その後多くの海外のコーラに目を向けることになった。そして今や鎖国が解かれ海外の情報やモノは簡単に手に入るようになったが、実際に行動してみなければ得られないことは沢山ある。

そんな当たり前のことに気付かされた、オランダの旅だった。